児童福祉法において障害児通所支援とは、児童発達支援・医療型発達支援・放課後等デイサービスの3つとされています。児童発達支援・医療型発達支援は未就学児を対象とした通所支援サービスですが、放課後等デイサービスは原則6～18歳までの学齢児童を対象とした通所支援サービスです。今回は、放課後等デイサービスがどういった施設なのかや、そこで働くスタッフの仕事内容、職員になる点に必要な資格、放課後等デイサービスで働くメリット・デメリットをご紹介します。発達支援や障害児のサポートに興味のある方は是非ご一読ください。
まずは放課後等デイサービスがどういった施設なのかをご紹介します。
放課後等デイサービスとは、障害のある学齢児童が、放課後や長期休暇中に通う、いわば障害児の学童保育のような施設です。
学童保育のように、宿題をしたり遊んだり創作活動をしたりが主な内容ですが、学童保育と大きく違うところは、自立して日常生活を送るための訓練を行っていることです。
他にも、障害児を持つ保護者の相談に応じて、助言や援助も行う障害児と保護者のための後方支援といった意味合いもある施設です。
放課後等デイサービスには、その活動内容の違いからいくつかのタイプがあります。
・学童保育型
文字通り学童保育のように、勉強をしたり遊んだりして自由に過ごす時間が多いのが特徴です。
もちろん生活能力に関する訓練なども行われています。
・療育型
専門的な療育、つまり治療と教育を合わせたような業務も行っている施設です。
各人に合わせたプログラムが組まれ、作業療法士や機能訓練士などが常駐する施設もあります。
・習い事型
スポーツや運動、音楽や絵画・書道などのいわば習い事に特化した施設です。
学童保育と習い事が合体したような業務内容で、将来的な展望も見据えてパソコンを使いこなすための訓練などもあるようです。
放課後等デイサービスとよく似た施設をいくつか挙げてみましょう。
・学童保育
先ほどから例に挙げるように、学童保育は放課後等デイサービスととてもよく似た施設です。
大きな違いは、健常者の小学生（地域によって学齢はまちまち）が通うのが学童保育で、障害のある就学児（6～18歳）が通うのが放課後等デイサービスです。
・児童館
児童館は、遊びを通じて健康増進や情操を豊かにするためのいわば遊びの施設です。
その対象年齢は施設によって異なりますが、6～18歳と放課後等デイサービスとも似通っています。
・保育園・発達支援センター
こちらは未就学児、つまり小学校入学前までの乳児・幼児を対象にした施設です。
発達支援センターは、放課後等デイサービスも併設する施設もあり、そのまま持ち上がりで通所することができるので保護者も安心出来るのではないでしょうか？
放課後等デイサービスの開設要件が平成３０年４月から新基準となります。
放課後等デイサービスの職員は児童指導員・保育士・福祉サービス経験者で、その半数以上は児童指導員または保育士となります。
このうちの、児童指導員になるにはどうすればいいかをご紹介します。
児童指導員の資格要件はいくつかあります。
1．児童福祉施設の職員養成施設を卒業
2．社会福祉士・精神保健福祉士
3．小学校・中学校・高等学校の教諭
4．大学または大学院で社会福祉学・心理学・教育学・社会学のいずれかを修了
5．3年以上児童福祉事業に従事
児童指導員の資格を取得出来たら、自宅から近い施設や活動内容に共感できる施設など、勤務したい放課後等デイサービスの施設に直接問い合わせるか、求人を検索し応募します。
放課後等デイサービスでは具体的にどういったことが行われるのでしょうか？
それぞれ施設によってカリキュラムやスケジュールはまちまちですが、代表的な放課後等デイサービス職員の１日の流れをご紹介します。
10：00出勤
10：15スタッフミーティング
12：00昼食・休憩
13：00～学校や自宅に送迎（送迎担当）
13：15手洗い・うがい・健康チェックなどの指導・介助
13：30始まりの会
14：00宿題や療育、訓練など グループや個別で指導・支援
15：00おやつ
15：30自由な時間
16：30終わりの会
17：00・自宅へ送迎
17：30スタッフミーティング
18：00書類作成や事務関連作業
19：00退勤
長期の休暇の際には、社会見学や遠足の引率もあります。
児童指導員さんのお給料ですが、４週８休や隔週週休２日、月休８日と言った条件で月給18万円～25万円といった施設の求人が多いようです。
民営の認可保育園の保育士さんと比べると、少し高給といえるかも知れませんね。
放課後等デイサービスで働く児童指導員さんや保育士さんにとっての、メリットとデメリットをいくつか挙げてみましょう。
ひとり一人と密接なかかわりを持つことと、専門的知識が必要なことは、メリットにもデメリットにもなります。
いわば表裏一体ですが、それにかかわる児童指導員さん保育士さんの発達支援に対するスタンスや福祉に関するかかわり方次第ではないでしょうか？
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